ウェストナイル熱(脳炎)について
ウェストナイル熱(脳炎)とは?
病原体 |
ウェストナイルウィルス(日本脳炎ウィルスに近い仲間) |
感染経路 |
蚊を介して人間・馬に感染します。 現在まで人から人への感染は報告されていません。 ウェストナイルウィルスは自然界では鳥と蚊の感染サイクルで維持されます。 アメリカの調査では媒介可能な蚊43種 感受性のある鳥170種 |
潜伏期間 |
2〜14日(通常2〜6日) |
症状 |
ウェストナイル熱39度以上の発熱、頭痛、筋肉痛、消化器症状、発疹 ウェストナイル脳炎:筋力低下、頭痛、意識障害、麻痺 |
症状発生 |
感染者の20%が発症。その内の1%が重篤な症状になる。(高齢者に多い) 重症者の3〜15%が死に至ります。 |
治療 |
対症療法のみ(現在のところ治療薬はありません。) |
予防 |
現在のところワクチンがありませんので媒介者となる蚊との接触を回避し発生源対策 (蚊の防除)をすることが大切です。蚊の駆除方法はこちら |
法的対応 |
4類感染症(全数把握/医師は都道府県知事への届出義務) 獣医師にも届出義務があります。 |
国・地方自治体の取り組み
- 厚生労働省の取り組み(ウェストナイル熱媒介蚊対策に関するガイドライン)PDFファイル
◎ウェストナイル熱についての知識の普及(一般向けQ&Aや専門家向けガイドライン作成・提供)
◎患者発生動向調査(全数把握・届出義務)
◎国際空港・国際港での対応強化(調査・駆除)
◎輸入動物監視(届出義務化・調査の権利)
◎ウェストナイルウィルス調査(サーベイランス)
(ウィルス侵入早期発見のため、死亡したカラスや媒介蚊の調査体制強化)
(詳しくは)
ウェストナイル熱について(厚生労働省)
西ナイルウィルス(国立感染症研究所)
動物由来感染症を知っていますか?(厚生労働省)
地方自治体の取り組み
◎ウェストナイル熱についての知識の普及
◎ウェストナイルウィルス調査(60以上の自治体が実施)
◎ウェストナイル熱対応指針策定(大阪府・横浜市等)
◎平時の蚊防除(幼虫・成虫)
(詳しくは)
ウェストナイル熱にご注意(大阪府)
ウェストナイル熱について(横浜市)
厚生労働省結核感染症課 平成17年7月22日に全国都道府県に文書で要請
要旨:蚊の成虫、幼虫防除用殺虫剤フェンチオンの使用規制
平成15年厚生労働省による「ウェストナイル熱媒介蚊対策に関するガイドライン」に記された、蚊の防除用
殺虫剤リスト59種類の中に含まれる11種類のフェンチオン製剤について使用規制を都道府県に要請した。
鳥類研究者等は以前からフェンチオンが鳥類に対し強い毒性を持つことから厚生労働省に対し使用を止めるように要請していたとの事。
感染症法の改正について(2003年11月5日施工)
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【緊急時における対策強化】
◎都道府県等の行う積極的疫学調査について、指示または自らも調査できるようになりました。
◎重篤な感染症の危険が生じた場合には、国が都道府県に対して予防計画の具体的な対応策(行動計画)を指示することができるようになりました。
◎広範囲にわたり感染症が発生する恐れのある場合には、国が会議の開催や関係自治体の連絡調整をすることができるようになりました。
【動物由来感染症対策強化】
◎動物を輸入する者は感染症に感染していないという輸出国の証明書の添付と動物の種類・数量・輸入時期等の届出が義務付けられました。
◎感染症の発生状況等の調査時に感染症を感染させる恐れのある動物(死体)の所有者に対して調査を行うことができるようになりました。
◎獣医療関係者は国及び地方公共団体の施策に協力し、動物取扱業者は動物の適切な管理に努めなければならないと定められました。
◎4類感染症を対象に媒介動物の輸入規制、消毒、蚊・ネズミ等の駆除ができると定められ、また、消毒・駆除の際には都道府県等が市町村に指示するだけではなく自ら実施することができるようになりました。
対象疾患・分類の見直し
- ◎対象疾患は73疾病から86疾病に増加、分類は1〜4類から1〜5類感染症になりました。(ウェストナイル熱は4類)