昔から伝染病を媒介することは知られていますが、最近はそれらの伝染病自体がほとんど発生しないので、もっぱら刺された後のかゆみや寝ている時の耳元で鳴る羽の音が不快感に困らされる害虫でしょう。
しかし、現在も犬のフィラリア症に大きな影響を与えていますし、今のところは国内での発症例は無いものの近い将来日本に上陸すると言われているウェストナイルウィルス(ウェストナイル熱(脳炎)の詳細はコチラ)の媒介者として猛威を振るっています。
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まずは発生しないように予防策をとる事が先決です。 蚊の幼虫は全て水に発生しますので、家庭のまわりなどの小水域では、発生源となるバケツの水や庭先の水たまりを可能な限りなくすと、ある程度発生を抑制できます。
側溝などの水路は掃除をして泥やヘドロを取り除き流れを良くする事で中水域から発生するアカイエカの発生を抑制する事が可能です。
田んぼや池、沼等の大水域から発生するコガタアカイエカやシナハマダラカなどは個人で発生源対策をするのは無理なので、お住まいの市町村の環境衛生や害虫対策の担当部署に相談してみてください。
いずれにしても完全に駆除するのは難しいです。薬剤を使用して駆除する場合は、蚊の種類を特定し、発生源と思われるところに適正に散布して下さい。
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※ |
河川や下水溝など公共の場所が発生源と思われる場合はむやみに薬剤の散布はせず、市町村や河川管理事務所等に相談してください。
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主な蚊の特徴及び駆除法を下記の表にまとめましたのでご参照下さい。
** 蚊の種類別発生源と薬剤使用法 **
蚊の種類 |
特徴 |
主な発生場所 |
発生時期 |
薬剤の使い方 |
アカイエカ |
中型で赤褐色。
日本全土に生息し夜間吸血する。 |
側溝・汚水槽 防火用水などの 汚い水 |
梅雨~9月頃 |
汚水槽や防火用水槽等に レナトップ乳剤・水性乳剤 か バポナうじ殺し薬剤 などを散布する。 |
チカイエカ |
見た目はアカイエカに似ている。 冬季も活動する。 |
ビルの排水槽など 地下の水域 |
1年中 |
排水槽等に成長阻害剤の レナトップ乳剤・水性乳剤 か バポナうじ殺し薬剤 などを散布する。 |
コガタアカイエカ |
アカイエカより小型で暗褐色。 脚の関節部分に白帯がある。 |
水田・池・沼 |
夏期 |
発生場所の管理者と相談し、幼虫駆除対策を行う。 |
ヒトスジシマカ |
小型で黒い。 体中央に白い縦線がある。 かゆみが強い。 |
墓地・竹やぶ等の 小さな水溜り |
夏期 |
墓地や竹やぶに生息しその場からほとんど離れない。 発生場所だけに駆除が難しいので、墓地や竹やぶに入る際に虫除けスプレーを使用する。 大量に発生している場合の直接駆除や残留噴霧には レナトップ乳剤・水性乳剤 を散布する。 |
シナハマダラカ |
羽に白と黒のマダラ模様を持つ。 農村に多く牛や馬など大動物から良く吸血する。 |
畜鶏舎内 湿地・水田・池・沼 |
4月~11月 |
畜鶏舎内や水田などは管理者と相談し発生源対策をする。 自分の所有地であれば発生源に レナトップ乳剤・水性乳剤 か レバポナうじ殺し薬剤 などを散布する。 |
オオクロヤブカ |
本州以南の農村に多く大動物から良く吸血する。 日本の蚊で一番大きい。 |
有機質の多い汚い水から発生 肥料溜まり畜舎の汚水槽など |
春~秋 |
発生源に不快害虫幼虫駆除用の ハイカプシン粒剤 や成虫対策には レナトップ乳剤・ 水性乳剤 を散布する。 |
**殺虫剤使用時の注意**
上記で紹介している殺虫剤は人体への安全性は非常に高い商品ばかりです。しかし、むやみに水系に散布すれば他の水棲生物への影響も考えられます。使用する場合は使用方法や適正量を守ってください。
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蚊の生態
国内にはおよそ100種類の蚊が生息しています。 その中で吸血性の主な蚊は10数種類でアカイエカ、コガタアカイエカ、チカイエカ、ヒトスジシマカ、シナハマダラカ、オオクロヤブカ等が挙げられます。
発生源はもちろん水のあるところですが、種類により沼や田んぼ等の大水域から発生するものや小さな水たまりから発生するもの、ドブ川や汚水槽から発生する種類もあります。
成虫の生息場所は幼虫とあまり変わりませんので、成虫が飛んでいる近所に発生源がある事が多いようです。ただし、コガタアカイエカやシナハマダラカのような大水域から発生する蚊は1km程度離れたところまで飛ぶ事もあるので、必ずしも発生源が近所とは限りません。
蚊の一生・・・
種類や季節により変わりますが、一般的には卵 2~3日、幼虫(ボウフラ)7~10日、蛹 3日、成虫 1~2ヶ月程度です。
成虫の発生時期・・・
梅雨前位から10~11月くらい迄ですが、天候により伸び縮みします。最近は下水道や生活排水路から発生する蚊も多く、それらの水温が1年中暖かいため
年中成虫が飛んでいる所もあるようです。
ご存知の人も多いと思いますが、
吸血する蚊はメスだけで産卵の為に吸血します。 吸血する時間帯や場所も種類により異なり、ヒトスジシマカやセスジヤブカ等は昼間吸血し、その他の多くは夕方から夜間にかけ吸血活動が盛んになり、人間や動物が出す二酸化炭素やにおい等に誘引され近づいてきます。
普段の生息場所は屋外の草むらの中が多いので、昼間に家の中で蚊を探してもほとんど発見できません。
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